合気道の稽古風景

合気道を始めて2ヶ月が経つ。
相変わらず楽しい。


合気道自体について何か書くには、全然まだ理解できてないので、今日は合気道そのものじゃなく、合気道の稽古のやり方の素晴らしさについて書きたい。



合気道そのものについても、もうちょっと考えがまとまったら書こうと思ってまる。)





普通の芸事の稽古風景というと、師匠(先生)が一人いて、弟子(生徒)が一人〜複数いて、完全な上下関係の中で教わるというものを想像するよね?




合気道の稽古風景は、ちょっと違う。
簡単に書くと、こんな感じ。




1.稽古が始まる。


2.師範が道場の中央に座り、それ以外の門人たちは、師範に向かい合う形で道場の端に一列に座る。


3.全員で礼をする。


4.はじめのストレッチや基礎運動を一通りやる。



5.師範がメンバーの誰か一名を指名し、指名された人は前に出る。
  みんなが座っている目の前で、師範がその人に技をかける。


7.「じゃあこの技(型)をやってください」と師範が号令をかけたら、座っているメンバーは隣の人と向き合い、二人一組のペアを作って技を掛け合う。


8.ペアの片方が相手に4回その技をかけたら(この4回っていう数にも意味があるんだけど、今は省きます)、交代してその人が技をかけられる側に回る。
  これを数分やったら、師範が頃合を見て「やめ」と号令をかける。


9.ペアの二人は、お互いに礼をする。


10.師範→道場の中央、それ以外の人→師範と向かい合って座る(2の時の形)に戻る。


11.師範が違う技を演技して、5〜10の動作を繰り返す。






・・・っていう流れでやってる。
俺がすごいと思うのは、この7〜8辺りの、「ペアで技を掛け合う」っていうところ。
師範が全体を見回してて、たまにアドバイスをくれたりするものの、基本的には二人でやりあう。
しかもこのペアはランダムなので、上位段者と組む時もあれば、初心者同士で組む時もある。




するとどういう事が起きるかというと。
何回か道場に通ううちに、初心者の人(と言っても俺にとってはもちろん先輩です)から、その道何十年の上位段所有者まで含む、道場の全員から同じ技を掛けられるという事になる。



そうすると、やはりベテランの人の方が格段に技をかけるのがうまいので、こちらがスルッと転びやすいように投げてくれる。
それに比べて初心者の人は、技を掛けて来た時にどこかぎこちなさがあるというか、こちらがスムーズに転べない。



なので、俺も「うまい人に投げられた時は、こういう感覚でした」という事が言える。言われた側は、「そうか、という事はこう投げればいいのか」と、技を修正していく。




つまり、相対的に俺より上手い人に対しても、(より達人な人との比較をする事によって)俺が助言をする事ができるって事。



だから、例え初心者とちょっとかじってる人であっても、お互いに教えあっているような雰囲気が出来る。もっと言うと、この技がどうすればうまくキマるか、二人で一緒に研究してるような感じ。





この稽古の仕方が、他の武道・格闘技と比べて独特なのかどうかは知らない(他の武道やった事ないから)けど、俺はかなり衝撃を受けたし、いいな〜と思った。だって、ただ教わるだけじゃなくて、必然的に自分でいろいろな事を考えながら練習するようになるでしょ?



音楽に例えるなら、レッスンというよりバンド練習に近い感覚。
初心者から達人まで入り混じった道場なのに、皆で上手くなってこうぜー!という雰囲気があるのが素晴らしい。


そんな事もあって、合気道稽古はやめられないのです。